故郷の空

1928年 映画脚本・原作

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原作:水島あやめ
脚本:水島あやめ
監督:大久保忠素
撮影:杉本正次郎
製作:松竹蒲田撮影所

【配役】
別荘番弥吉 野寺正一
孫お鈴 高尾光子
弟政夫 小藤田正一
村の若者富さん 吉谷久雄
桜井夫人 千曲里子
令嬢三千子 藤田陽子
野々村 岡田宗太郎
野々村夫人 吉川満子
姉勝子 高松栄子
妹銀子 花柳都

ジャンル:少女もの、サイレント、7巻
封切日:昭和3年1月29日
封切館:浅草電気館

【あらすじ】
弥吉は、息子夫婦が遺した二人の孫、お鈴と政夫を育てながら別荘番をしている。ある日、東京の本宅から夫人が令嬢三千子とやってくる。お鈴と政夫、三千子はすぐに仲良くなる。そして、お鈴と政夫は、三千子の暮らす東京の生活にあこがれるのだった。そんな時、子どものない野々村夫妻が楽し気に遊ぶ姉弟を見かけ、お鈴を養女にしたいと願い出る。憧れの東京に行ってみたいが、弥吉や政夫とも別れがたい。しかし、野々村夫妻の求めに応じ、涙ながらに上京する。娘となったお鈴は野々村夫妻の深い愛情を受けながら育てられるが、しかし、野々村家に出入りする令嬢たちは、田舎者のお鈴を事毎にさげすむ。また、野々村の姉勝子は同家の由緒正しいことを理由に、「田舎娘に叔母さんと呼ばれるのは嫌だから絶交する」とまで言う。お鈴は故郷の弥吉と政夫を思って涙を流す。いっぽう、弥吉と政夫も、淋しい毎日を送っていた。野々村夫妻への恩も断ち切れないお鈴は、小さな胸を痛めるのだった…

【解説】
少女悲劇で人気の「オミタ・トリオ」の第三弾。「蒲田週報」昭和三年一月二十ク日号は、「孤児」「天使の罪」に次ぐ大久保、水島、高尾のトリオ作品であり、「興行価値は云為すまでもない」と解説している。
千曲里子が大役に初めて抜擢された作品であり、ロケーションは伊豆長岡と東京郊外豊島園で行われた。
(20201001)

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