をとめ心

1928年 映画脚本・原作

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原作:水島あやめ
脚本:水島あやめ
監督:大久保忠素
撮影:杉本正次郎
製作:松竹蒲田撮影所

【配役】
お妙 高尾光子
茂平爺 野寺正一
花園綾子 吉川満子
照子 藤田陽子
照子の母 千曲里子

ジャンル:少女もの、サイレント、5巻
封切日:昭和3年9月14日
封切館:浅草電気館

【あらすじ】
お妙は、小さな町で茂平爺と二人で淋しく暮らしていた。お妙は赤ん坊のときに、ある別荘の裏門に捨てられていたのを茂平が拾いあげて育ててきたのだった。ある日、町に新派劇の一座がやってくる。貼り出されたビラを見たお妙は、女優花園綾子の写真に目を奪われる。綾子は、お妙の夢に出てくる今は亡き母とそっくりだった。嬉しそうに話すお妙の顔を見て、茂平は芝居に連れて行く。美しい綾子の舞台姿、幻の母に似た面影。お妙は毎晩でも芝居小屋に行きたかったが、貧しさゆえ、それもかなわない。思慕の気持ちをおさえきれず、お妙は芝居小屋の楽屋に、こっそり会いに行く。男衆に見咎められていたお妙を、綾子は自分の楽屋に連れて行き、やさしくもてなし語りかけるのだった。そんな綾子を、お妙は本当の母のように思えてならなかった…。後ろ髪を引かれる思いで、茂平のもとに戻ったお妙は、淋しくとも平和な海辺の町で、茂平と二人で暮らすことにするのだった…。

【解説】
人気の「オミタ・トリオ」の第四弾。「蒲田週報」は「優秀逸作、涙の映画と定評ある水島、大久保、高尾のトリオである」と解説している(昭和三年八月十九日号)。また「キネマ旬報」は、「高尾光子主演と云えば大体、見当がつく程に一つの型を持っている」といい、「高尾光子主演の映画は地方に行けば行くほどこの方面の価値が出てくる」(昭和三年十月一日号)と、その興行価値を記している。甲州、八王子方面でロケを行った。
(20201003)

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